老眼鏡売り場に行くと+2とか+3など様々な数字が書かれていています。この数字の意味を知っていますか?数字だけでなくなぜ【+】なんでしょう??
例えば+2.0は正確には+2.00Dと表示し、Dはディオプター又はディオプトリと呼ばれるレンズの屈折度を表す単位です。「夕方になると見えにくくなります。疲れ目でしょうか?って」でまた今度、少し詳しく・・・と書きましたが、このディオプターの話は長くなるので何回かに分けて書かせていただくつもりです。まずは皆さんが目にしやすい【100均の老眼鏡の数字編】として説明していきます
ディオプター(屈折度)とは焦点距離(ピントの合う距離)をメートルで表したものの逆数で表します。逆数??
例えば2m先のテレビを見るために必要な屈折力[D]はどのくらいかというと
1÷2m 答えは0.5D
30㎝の距離でスマホを見たい時に必要な屈折力を計算すると
1÷0.3m=3.3333・・となり、約3Dです
じゃあ、2.5Dは?どのくらいの距離を見たい時の屈折力か?
1÷Xm=2.5
X=1÷2.5 X=0.4
答えは0.4mつまり40cmです
水晶体を囲むリング状の筋肉が収縮すると、その中央にある水晶体をが膨らみ近くが見えるようになります。これを調節力と言い、カメラのオートフォーカス機能で例えます
わかりやすく説明するためにイメージとして懸垂する絵をかいてみました。鉄棒に手を伸ばしていて力を入れていない状態を調節力を使っていない±0.00D、その状態で遠くが良く見えているとします。少しずつ筋肉を使い上に上がるにつれ近くが見えるとすると、一番左の、鉄棒の上に顔がすべて出る状態に使うパワーは3D必要です。若い時は10~12Dのパワーを持っているので余裕でクリア。若い時は遠くも近くも問題なく見ることが出来ます
しかし、40歳を超えたぐらいから持ちパワー不足を感じ始め、60歳でほぼ持ちパワーがなくなります
でも、急になくなるわけではないので自分の持っているパワーに老眼鏡のレンズのパワーを踏み台として足してあげると無理なく見えるというわけです
この調節力というパワーは、常にフルで使っているわけではなく半分ぐらいの力を使います。無理にパワーを使い続けると目が疲れたり、目や頭が痛くなることがあります。老眼鏡をかけて楽をさせると老眼が進むという謎の説を信じて、かたくなに老眼鏡をかけるのを嫌がる方がいますが、老眼鏡をかけると老眼が進むという事はありません
裸眼で遠くが良く見えていて、+3.0Dの老眼鏡をかけているのに近くが見えにくいという方もいます。そんな方は視力検査の時に、遠視ですね。と言われた経験があるかもしれません。遠視は遠くが良く見える目と思われがちですが、実は力を使わない時はどこにもピントが合っていない状態で、遠視の人は遠くを見るためにすでにパワーを使って見ているのです。近くを見るときには遠くを見るパワーに加えて、近くを見るためのパワーが必要になるので+3.0Dに加えて遠視分のプラスレンズがないと近くが見えにくいと感じることになるのです
なぜプラスなのかについては最初の図を見て下さい。遠くから近くを見えるようになるのには+。近くにピントが合っていて遠くが見たい近視のためのレンズは-です
近視や遠視のこと、乱視のこともそのうちに説明していきたいと思っています