視力が0.7なのに視力は(1.0)ですね。ってなんで?

視力0.7でメガネをかけていないのに、診察の時に「レンズを入れた視力は(1.0)ですね。問題ありません。」ってDrにいわれた。メガネかける予定ないんだけど!!レンズを入れた視力に何の意味があるの?

こんな質問を受けました。今回は眼科での【視力】について書いていきたいと思います

【視力】とは【ものを見る力全体】を測るために考えられた、万国共通のものです。5m視力表を見て輪の切れ目を「上」とか「右」とか答えますね。あの切れ目のある輪っかは【ランドルト環】と言います。5m離れたところからどの大きさの輪の切れ目が見えるかで視力を測ります。

昔々の話アラビアでは北斗七星のひしゃくの柄の2つ目の星「ミザール」2等星のすぐそばにある「アルコル」という4等星が見えるか見えないかで徴兵したという話が残っています。徴兵に視力検査があったんですね。地球からこの「アルコル」、そして「ミザール」を直線で結び、そのなす角が12分(満月の直径の半分ぐらいの距離)となり、この角度を視角と言います。その見える視角がどのくらいなのかで視力は測られていて、5m視力表の1.0のランドルト環の切れ目は1分で、0.1は10分。12分の「アルコル」を見るためには0.1の視力があれば見えるはずということになります。(この「分」という角度は「1度」の60分の1です。)

話を戻しまして、レンズを入れないで測る【裸眼視力】は、一番上の輪の切れ目のみ見える0.1の人や下のほうの1.2まで見える人など視力のバラツキがあります。そのバラツキは近視・遠視・乱視のためでレンズを入れて矯正するとほとんどの人は(1.0)以上の視力が出ます。このレンズを入れた【矯正視力】を眼科では【視力】と言い、小学校や中学校の健康診断の時に「視力0.6」とか「視力1.5」とか言われた【裸眼視力】とは違います。裸眼視力を【視力】だと思っている患者様と、矯正視力を【視力】と呼ぶ医師との食い違いがここで起こります。眼科で【視力】と言われたら【レンズで矯正されたときの視力】と思ってください。

眼科では【矯正視力】が大事で、頻繁に測定します。そんなに変化がないのに面倒だ。と感じている方もいるでしょう。しかし、その「変わらない。変化がない。」ことが重要で絶対に確認しておきたい事項です。矯正視力がいつもより下がっている場合、「眼科医は何か特別なことが起きている可能性がある。」と判断し異常の有無を詳しく検査します。そうすることで眼底出血が見つかったり、視神経の障害を発症する病気の発見につながるのです。人は普段、両方の眼で物を見ているので片眼の視力が落ちても見えづらくなっていることに気が付かないことが多く、患者様自身が視力低下を訴えていなくても、毎回視力検査します。

眼科で視力と言ったら【レンズを入れて測った矯正視力の数値】という事がわかっていただけたでしょうか。

これからもよくある質問に対しての説明も「院長ブログ」で書いていきたいと思います。時々の覗いてみて下さい。

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