眼圧が正常範囲なのに緑内障になるの?

40歳以上の17人に1人が緑内障になります。衝撃的な数字です。[緑内障=眼圧が高い]というイメージを持っていませんか?

正常眼圧でも緑内障になることを御存じでしょうか。そして、実は日本人はこの眼圧が正常範囲内の正常眼圧緑内障の割合がなんと8割に上ります。緑内障は、視神経が傷んでいき視野が障害されていく疾患です。しかも、一度傷んだ視神経は元に戻ることはありません。視神経が障害され視野と呼ばれる見える範囲の一部が欠けてきても、欠けた部分をもう片方の目がうまく補正してしまうので、見えない部分があることを初期は気が付けません。気が付くのはかなり広い範囲の視野が欠けてからになります。駐輪場の写真の上半分の視野の欠けた状態のイメージ画像を見て、ここまで欠けたらさすがに気が付くよ。と思いませんでしたか?しかし、片方の目の視野がここまで欠けていても、もう片方の目が補正して気が付かない人がいるのです。

ある程度の年齢になると、なんとなく血圧の具合は気になって測ることがあっても、自分の眼圧を気にすることは少ないでしょう。その上、正常値でも自覚症状がないまま視野の欠けが進む正常眼圧緑内障の存在もあまり知られてないのが実状です。

眼圧が高いことで視神経が傷んでいくことはなんとなく想像できても、正常眼圧で視神経が傷む理由は何で?って思いませんか

同じような環境でも、花粉症で眼が痒くなる人もいれば、何も感じない人もいます。緑内障における視神経も同じで、耐えられる圧力がそれぞれ違います。正常眼圧で緑内障になる人もいれば、その反対に眼圧が「え?」って思うぐらいの数値でも緑内障の症状が出ていない人もいます。

緑内障は進行状態が人それぞれ違うので、定期受診で症状の進行状態を確認しながら治療をすることが非常に大事になります。「本当に点眼しなければいけないの?視野が欠け始めてるって言われても、普通に生活して問題ないよ。」と思えている今の状態を1日でも長く残すために、今の点眼薬で症状は抑えられているのか、薬の種類を変える必要はないのか、定期的に診察して確認することが本当に本当に大事です。緑内障は失明に至るこわい病気ですが、自覚症状がない早期に治療を開始し継続していくことで、うまくコントロールできれば、失明を回避し、一生、視野の欠けの不自由さを感じることがなく過ごせることが出来る病気とも言えます。

よく40歳をすぎたら健康診断を受けましょう!とコマーシャルされています。健康診断というと、腰が重くなりがちですが、

例えば、今まで耳鼻科で花粉症の薬を出してもらう時ついでに点眼薬をもらっていたという人は、面倒でも眼科で点眼薬を貰うのはどうでしょうか。花粉症の受診でも眼底を診るときに、眼科医は眼底の様子から疑われる病気も診ています。

実際、疲れ目やドライアイ、花粉症などの受診で緑内障の早期発見するケースが多いです。最近はドラッグストアで以前だったら処方箋がないと手に入らなかった点眼薬も、手軽に買えるようになりました。便利になった反面、医師に眼底を定期的に診てもらうチャンスを減らした。ともいえるのかもしれません。

健診の代わりにと書かれてたから、わざわざ眼科に行ったのに、別に緑内障じゃなかったただの花粉症だったし、ドラッグストアで目薬を買っても同じだったじゃないか!!と思う人も出てくるかもしれません。しかし、その緑内障じゃなかった時の今のデータが記録としてカルテに貯金されていきます。もし、症状が出た時、いつから、どのくらい数値の変化がでているのかを判断するのに役に立つのです。眼科は待ち時間が・・・と思われるかもしれませんが、眼科の健診をついでに受けると思えば・・・どうでしょう。

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