目の大きさってどのくらいだと思いますか?ピンポン玉(40mm)ぐらい?
いえいえもっと小さく,10円玉サイズ(23mm)よりかは少し大きくて、500円玉(25mm)よりは少し小さい直径約24mm重さ約7gです
思っていたより小さいと感じませんか?
物を見るためには、物の反射光が角膜、水晶体、硝子体を通って網膜に像を結んで、こんな光を感じたと視細胞に刺激が伝わると、脳にその情報が伝わり、初めて見えたと感じます。今回は網膜に像が映る所までの話をしようと思います
近視や遠視という言葉を知っている人は多いと思いますが、正視という言葉を知っていますか?また、屈折力は光を取り込む角膜はなんと約40D、水晶体は約20Dのすごい凸レンズだという事を御存じでしょうか。視力検査で使う検眼レンズの一番強い凸レンズが20Dです(Dデイオプターについては「老眼鏡の+2.0とか+3.0って」で簡単に説明しています)
カメラのオートフォーカス機能に例えられる調節はこの約20Dの水晶体を膨らまし、距離に合わせて最大33Dまで変化させ近くの物をハッキリ見ます(年齢を重ねるごとに膨らむ力は低下)。この角膜と水晶体の屈折力約60Dのレンズを通した遠くからの光が網膜にピッタリとピントが合っている目を正視と言います。角膜から網膜までの距離を眼軸長と言い、実はこの眼軸の長さの違いが近視や遠視などの見え方の違いにかかわってくるのです
眼軸長を測る機器は散瞳して麻酔の薬を点眼してからタッチペンのようなもの(プローブ)を角膜に当て超音波と反射エコーの時間差から眼軸の長さを測る『超音波Aモード』という機器と、赤い気球を見る屈折の検査機器のように簡単に計測できる『光学式眼軸長測定装置』があります。簡単に計測できる装置だけでいいじゃないかと思うでしょう?しかし白内障や角膜が濁っていた場合は簡単な装置では測れないことがあるので『超音波Aモード』も必要です
今回は『光学式眼軸長測定装置』で測ってみました。後ろにチラット映っている機器が『超音波Aモード』です




上の2つの眼軸長を見て下さい。画面の両側の中段にある数字です。26mm超の人もいれば24mm弱の人もいます。眼軸は1mm違うと3Dの違いになります。24mmが正視なので26mm超だと-6D以上の強度近視になります。一般的に近視というと、この軸性近視のことをさします

眼軸は生まれた時は直径16.5~17mmぐらいで3歳になると22.5mm、13歳ではほぼ大人と同じ24mmになります。ここで眼軸の伸びがストップすれば正視ですが、さらに眼軸が伸び続けると近視になります。あれ?そういう事なら13歳まではみんな遠視のはず?うちの子はまだ10歳で近視で眼鏡をかけているけど?という方いますよね
現代の生活環境では近視の低年齢化が進んでいます。統計で小学4~5年生の近視の進行が大きくなっているのが分かっています
近視は遺伝的要素があります。そして何よりも現代は外遊びの時間が減り、スマホやゲームなどのデジタル機器のデビュー年齢は低年齢化、その使用時間も長くなっています。スマホやゲーム機に向かっている距離感と使用時間は危機的状況です
しかし、今の時代スマホやゲーム機を使わなせないのは無理があるのも現実です。出来るだけ30㎝以上は離し40分ごとに10分遠くをみるようにして目を休めましょう
また、太陽光には網膜が伸びるのを防ぐ効果があります。戸外での活動時間を増やしましょう
-6.0D以上の強度近視は網膜が引き延ばされた状態で菲薄化しています(詰め放題のために引き延ばされたビニール袋をイメージして下さい)そのため、網膜剥離や緑内障など発症されやすくなます
強度近視のリスクを知り小さいうちから近視の進行を少しでも減らしましょう