OCTアンギオグラフィー

Optical Coherence Tomography 光干渉断層計です。光干渉って?何のこと?って感じですよね。物理で習った気がする・・・という方がいらっしゃるかもしれません、そうソレです。光も音と同じに波動があり、お互いに干渉しあうというアレです。シャボン玉やDVDの裏側のキラキラ不思議な光は光の干渉によるものです。このOCTは、日本発(山形大学 丹野教授)の技術で、測定光と対象物に近赤外光を照射し、そこから散乱して戻ってくる光を合波することによって生成する干渉光信号の情報で画像を構成させます

OCTは眼科の医療にとって本当に革新的な機器なんです。

ある雑誌で「眼科を選ぶ基準にOCTを設置しているところを選びなさい」と書いてあったので来ました。と患者様が話してくれました。さけみ眼科は早い段階から導入し、今のOCTは2代目です。

目に入った光を映すカメラでいうとフイルムの役目をする網膜は1層の網膜色素上皮と9層の構造をした網膜からなる10層構造になっています。その層状になっている網膜のどこの部分にどのくらい症状が出ているかを、CT画像のような断層画像で診ることができるのです。OCT検査とCT検査の違いは、CTはエックス線撮影なので何回も行うと被ばくの心配がありますが、OCTは普通の光を使うので何回撮影しても心配がありません。目に入ってきて反射するところの密度の差をコンピューターが瞬時に計算します。目をスキャンする間の数秒まばたきはを我慢して頂くだけで撮影でき、検査自体は5~10分と短いです。スキャンするときに瞬きするとノイズが入ってしまい上手に撮影することが出来ないので、瞬きを我慢して下さい。と声をかけさせてもらってますが、どうしてもドライアイで瞬きが我慢できない方は検査の時にお声掛けください、涙と同じ成分の人工涙液を点眼してから撮影します。

現在当院のOCTは、血管撮影もできる最新のOCTアンギオグラフィーを導入しています。

いままでは蛍光色素を含む造影剤を腕などの血管から注射して、眼底カメラで調べる血管の検査をOCTアンギオグラフィーで撮影できます。映像のなかには変化がないもの(動いていない部分)と変化があるもの(動きのある血管内の赤血球など)があり、この映像の差から変化があるものを取り出すと、眼底の血管の様子が観察できるのです。造影剤を使った検査よりは撮影できる範囲が狭いですが、造影剤で起こるかもしれない薬剤の副作用やアレルギー反応を心配せずに簡単に撮影することができます。造影剤を使っての検査に比べれば格段に簡単に撮影が出来るのですが、アンギオグラフィー撮影はスキャンを行う場所が増えるため撮影時間は少々長めです。この撮影は痛みもなくただジッと赤い十字を見ているだけで瞬きもしていいのですが、瞬きが多くなると撮影時間も長めになってしまうので(瞬きの瞬間スキャンがその場所でストップし、目を開けると再び撮影開始となります。)これこそ人工涙液の使用をお勧めしております。

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