まだまだ寒い日が続いています。冬だと思っていても、くしゃみや鼻水、そして目のかゆみですぐそこまで来ている春を感じる方がいらっしゃるのではないでしょうか。そんな春の訪れを感じさせる今年の花粉の飛散開始はいつ頃なのかご存知ですか?
飛散開始とは、1平方センチメートルあたり1個以上のスギ花粉を2日連続して観測した場合の最初の日のことです。今年のスギ花粉の飛散は2月11日ごろと予想されています。予想されている飛散量は少なかった昨年よりは多めではありますが、例年並みです。
目に花粉という異物が入ると、アレルギー症状として異物の侵入を知らせるかゆみを発症させ、花粉を目から排除するために涙や目やにが出たりします。さらに症状が悪化すると結膜がブヨブヨに浮腫む結膜浮腫を起こしたり、角膜(黒目)に傷ができることもあります。
花粉症の治療は基本的には抗アレルギー点眼薬の投与となります。抗アレルギー点眼薬には2種類ありアレルギーの原因となるヒスタミンなどの化学伝達物質の放出を抑えるものと、ヒスタミンの放出を抑えるだけではなくヒスタミンH1受容体拮抗作用を持つものがあります。これらの薬剤を用いても症状が緩和しない時は、ステロイド点眼薬を追加する場合があります。ただ、ステロイド点眼薬は効き目は強いのですが眼圧を上昇させ、場合によっては緑内障を起こしたり、白内障の進行を早めたりする副作用があるので治療には副作用が出ていないか確認する必要があります。必ず医師の指導の下に治療し確認のために再度の受診をお願いします。
花粉症の症状が出る前から予防的に点眼を開始すると症状が悪化せずに済むことがわかってます。今年は2月11日ごろから飛散予報が出ていますので、1月末~2月始め頃から点眼のスタートをお勧め致します。花粉が一気に飛び始めると同時期に大勢の方が目の不調を感じ来院されるので待ち時間も長くなります。毎年、春にアレルギーの点眼薬を使われている方は早めの受診、早めの点眼開始で症状が軽い快適な春を過ごしてみるのは如何でしょうか。
気の早い花粉は飛び始めているようで目のかゆみを感じて受診する患者様すでにいらっしゃいます。最低気温が氷点下になる日が続いていますが、確実に春が近づいています。